written by さいどん -かくめいメディア・クリエイティブ担当-
メキシコのカリブ海トゥルムの街があるユカタン半島にはセノーテを始めとした豊かな自然や、トゥルム遺跡などの古代マヤの歴史が魅力の地だが、このトゥルムの街はユカタン半島のリゾート地カンクン、プラヤデルカルメンとは違って、最先端のエコリゾートとして世界から注目されている。ここに集まる観光客・移住者は地球環境や生態系を守ろうというサステナブルな意識が高く、ホテル自体が自然回帰しようというコンセプトを掲げていることが多い。それゆえにホテルのデザインやサービスがほかのリゾート地に比べて圧倒的にユニークなものが多く、自然との融合という点においては世界でもトゥルムが群を抜いている。トゥルムのビーチ沿いのストリートは高級エコホテルが立ち並び、ニューヨーカーを中心としたセレブな欧米人の多くが利用する。これらのホテルは金額がニューヨークプライスのため、多くの人が手を伸ばしづらいかもしれないが(高額ではないホテルもある)、今回はその彼らが注目するホテルを特徴別に5つ紹介しよう。
まずはその5つのホテルの位置関係だが、全てビーチストリートに集中しており、行き方としてトゥルムの街からビーチ方向に向かってまっすぐ車でいくことになる。

これらの5つのホテルは全てビーチフロントの最高の立地で目の前にはエメラルドグリーンのカリブ海が広がり、茅葺などを始めに、地元の資材を活用したホテルの各客室は、最もきれいなオーシャンビューが見えるように配置されている。

また、トゥルムのビーチストリートのホテルの特徴として自然との融合という概念がベースにあり、建物だけじゃなく、精神も自然回帰するためのヨガ・瞑想クラスや、古代マヤ先住民の儀式が体験できるウェルネスアクティビティが充実していることが挙げられる。


このようにビーチにはジャングルに溶け込むようにエコホテルが並んでおり、これらのホテルを地図の1〜5まで順番に紹介していこう。
Azulik Tulum


誰にも真似ができない世界最高峰のエコホテルのデザインで建築家たちが注目するアズリックはJOIN THE TRIBEというコンセプトの元、部族をテーマに人類が地球環境とのつながりを取り戻すということを掲げている。
アズリック建築様式は不規則なラインと有機的なデザインが調和することでまるで異世界に迷い込んだ気分にさせる没入型の現代アートである。このアズリックの建築はトゥルムが周辺環境とほどよく調和した共生型エコリゾートとして唯一無二の世界観を作り上げるきっかけになった。
アズリックのサービスはレストランにもウェルネスアクティビティにも力を入れているが、注目すべき部分は建築を始めとしたアートだろう。アズリックにはアートギャラリー、ブティックも併設されており、世界観に引き込まれるにつれ、アズリックのホテルは1つのコンテンツに過ぎず、アズリックの崇高なビジョンを表現するための体験型アート作品なのだと思い知らされる。
トゥルムの世界観にどっぷり浸りたい人は必ず訪れたい場所の1つだ。
特徴
・自然と完全に融合しきったエコホテルで最高峰の建築デザイン
・ツリーハウス式の客室スタイルでホテル全体が自然と一体化するための非日常空間
・マヤとメキシコのフュージョン料理を出す天空のレストランKIN-TOHとその他2つのレストラン
・マヤスパ・ミュージアム・ブティックなどが併設されている
・客室にはバスタブあり(一部シャワー)、屋外スペース、ルームサービス
・公共スペースWi-Fi、テマスカル、ヨガシャラ、有料空港シャトル、無料駐車場
・各部屋Wi-Fi、照明、エアコンなどが無いので要注意(電源はベッド付近のコンセントのみ)
部屋
7種類の全48のプライベートでエコロジカルなヴィラはマヤの職人たちと共に全て手作りで建てられた。照明はキャンドルしかなく、エアコンや冷蔵庫、Wi-Fiはなく、唯一電気を使用するものベッド脇のコンセントのみ。夜は周囲の人工的な灯りに邪魔されることなく星空を見上げ、静寂の中でカリブ海の波の音と潮風に身を委ねることができる。部屋の中もまるで妖精が住んでいるかのような自然が生み出す不規則が、日常生活で規則性に縛られた心をほぐしてくれているかのようだ。ここでは、自然を最大限に感じるための環境が担保されているため、日常生活でのあらゆる意識のスイッチをオフにして自然だけに集中できるのだ。完全デジタルデトックスできる環境でありながら利便性とは離れたラグジュアリーが堪能できる。
AQUA VILLA

MOON VILLA

SKY VILLA

レストラン
Azulik Tulumの中に併設されているレストラン。ここではマヤとメキシコのフュージョン料理を食べることができる。鳥の巣のような圧倒的な非日常空間からはトゥルムのジャングルやカリブ海を一望でき、マヤの地を料理や景色を最大限に感じさせてくれる空間になっている。テーブルに着くまでにハンモックネットや吊り橋が至るところにあり、この場所に来るゲストの冒険心を常に駆り立ててくれる。SNSでトゥルムの画像を検索すると必ずと言ってもいいほど登場するフォトジェニックな場所の多くがここにある。また、KIN-TOH以外にも日本人シェフによる和食とメキシコ料理のフュージョン料理が食べれるTSEEN JA、朝食・昼食用レストランのCENOTE CAFEが併設されている。
KIN-TOH

TSEEN JA

ウェルネス
アズリックではホリスティックなアプローチによるスパや儀式を通して心と体の癒しによる自然回帰ができる。マヤ式スパでは、フェイシャルトリートメントからムーンライトカップルマッサージまで、さまざまなトリートメントここで受けることができる。儀式の1つマルチバイブレーションサウンドマッサージはチベットで伝わるサウンドヒーリングの1つであり、ボウルが生み出す振動波によって、筋肉をリラックスさせ、骨を強化し、生命エネルギーを活性化させる。またバイオマグネティズムは特殊な磁石を用いることで内臓のPHレベルを中性へと調整する。ここでのプログラムは宿泊者でなくても参加可能だが、参加する場合はネット上から予約をすることをおすすめする。
Yoga Shala (ヨガスペース)

マルチバイブレーションサウンドマッサージ

Temazcal (テマスカル)

アート・ファッション
ZAK IK・IK Raumはアズリックのホテルに併設されたブティックであり、誰でも気軽に訪れることができる。しかし、SFER IKはトゥルムから車で15分ほど離れたフランシスコウマイという隣街にあり、行くのに少し時間がかかるが、ここはアズリックの現代ミュージアムになっている。ここでは入った瞬間から圧倒される光景が広がっていて、ホテルとはまた少し違った没入感を体験できる。
SFER IK(Azulik Uh May)

ZAK IK

IK Raum

詳細情報
チェックイン:15:00〜
チェックアウト:11:00
年齢制限:18歳以上
各部屋の最大宿泊人数:2人
ホテルクラス:4つ星ホテル
価格:$$$$$
サービス:★★★★★
雰囲気:★★★★★
エコ:★★★★★
宿泊料目安:8万〜50万円
Casa Malca

コロンビアの麻薬王パブロ・エスコバルの旧家として知られるこの建物は著名なアートコレクターであるリオマルカによって彼の現代アートコレクションに溢れたトゥルム随一のラグジュアリーなホテルへと変貌を遂げた。実はエコという観点においてはほかのホテルと特筆すべき点はないのだが、リオマルカの嗜好が完全に反映されたこのホテルは、トゥルムの自然との融合をテーマにしているほかのホテルと比べて、圧倒的に現代的なアーティスティックさとラグジュアリーさで群を抜いている。ホテルと現代美術館が融合したかのようなこのユニークな世界を体験したい人はぜひ足を運んでみてほしい。
特徴
・現代的なアーティスティックさと都会的なラグジュアリーさが合わさったホテル
・ホテルの中はまるで美術館のように現代アートコレクションが飾られている
・客室には専用バスルーム、エアコン、ルームサービス、金庫、24時間電源
・ホテル全域Wi-Fi、無料駐車場、無料自転車レンタル、有料空港シャトルプール2面 、屋内/屋外プール、スパ、ビーチフロント、プライベートビーチ、アートギャリー
部屋



レストラン




アート






詳細情報
チェックイン時刻 15:30〜23:30
チェックアウト時刻 : 11:00
最低年齢:18歳以上
各部屋の最大宿泊人数:2〜3人
ホテルクラス:4つ星ホテル
価格:$$$$
宿泊料目安:5万〜12万円
サービス:★★★★★
雰囲気:★★★★★
エコ:★★★☆☆
Nômade Tulum

このビーチストリートのエコホテルの中でも特に民族的なデザインが特徴的なホテルで、遊牧民のライフスタイルがコンセプトになっている。74部屋の客室のうち、36部屋はグランピング仕様のテントとなっていたり、ツリーハウスの客室があったり、モロッコスタイルのレストランなど、まるで遊牧民の集落へたどり着いたかのような気分にさせてくれる。
このホテルのサービスの見所としては、ウェルネスアクティビティはかなり充実しており、ほとんどのホテルで追加料金を払わないといけないリトリート体験(瞑想、ヨガ、テマスカル、サウンドヒーリングなど)が無料で受けることができる。まさに自己の精神を深める目的のゲストにはぴったりのエコホテルだ。
また、ホテル宿泊者でなくてもカフェ&BARの利用者はビーチを使用可能であり、ウェルネスアクティビティとして行われるヨガやテマスカルに参加することも可能。宿泊でなくてもここを訪れる価値は大いにある。
特徴
・自己の精神性を高める志向があるゲストに人気のあるエコホテル
・ヴィラ・スイート以外にグランピングテント・ツリーハウスの部屋がある
・毎日無料のウェルネスアクティビティがある(瞑想、ヨガ、テマスカル、サウンドヒーリング)
・地産地消のシーフードを提供するレストランとヴィーガンに最適な健康志向のメニューを提供するレストラン
・客室には金庫、ファン、エアコン(このエリアのほかのホテルでは無い場合がある)、24時間電源(エアコンと同様)
・全域Wi-Fi、無料レンタル自転車、無料駐車場、プール1面、有料空港シャトル、ビーチフロント 、プライベートビーチ、テマスカル、ヨガシャラ
部屋
部屋のタイプはグランピングテント・スイート・ヴィラ・ツリーハウスなど、種類が豊富にあり、一般的なリゾートとは全く違った雰囲気も味わうことができる。この中でも、グランピングテント・ツリーハウスというのはNômadeならではとも言える部屋だ。また、全ての部屋にエアコン・金庫・WiFiが含まれている。それぞれの部屋タイプをここに紹介しておこう。
部屋タイプ:グランピングテント

部屋タイプ:ツリーハウス

部屋タイプ:スイート

部屋タイプ:ノーマル

レストラン
レストランはモロッコスタイルのホリスティックな料理を提供するMACONDO RESTRAURANTとビーチの目の前で地元漁師から直接仕入れたシーフードを提供するLA POPULARの2つがある。MACONDO RESTRAURANTは特に健康を意識したメニューになっており、サステイナブルな地元の食材を使用し、ホリスティックな部分に焦点を当てている。季節のメニューには、ローフード、ビーガン料理、グルテンフリーのオプションがある。
MACONDO RESTAURANT

LA POPULAR

ウェルネス
Nômadeのウェルネスプログラムでは、つながり、学び、創造し、進化させる儀式を中心としたプログラムが設計されている。プログラムの内容は多岐に渡るが例を挙げると、ヨガ道場で変性意識に働きかけるための呼吸法「ブレスワーク」、メキシコインディアン式サウナ「テマスカル」で行われる古代マヤ伝統儀式はもちろん、Nestで行われるカカオを使った古代マヤ伝統儀式「カカオセレモニー」もある。Gratitude Tentでは「感謝の姿勢」に関する様々なクラスや瞑想などが体験できる。これらの自然、文化、神聖な知恵に触れることで、現代的な生活を営む中で失ってしまったコミュニティや自然界とのつながりを取り戻そう。
Yoga Shala (ヨガスペース)

Nest (巣)

Gratitude Tent (感謝のテント)

詳細情報
チェックイン:15:00〜
チェックアウト:12:00
各部屋の最大宿泊人数:2人
ホテルクラス:4つ星ホテル
価格:$$$$
年齢制限:18歳以上
サービス:★★★★☆
雰囲気:★★★★☆
エコ:★★★★☆
宿泊料目安:3万〜15万円
Be Tulum

先ほどまでのNômade、Azulikなどのトゥルム独自の個性的なホテルとは違い、カリブ海の開放的な雰囲気とスタイリッシュなイマドキのデザインで若いカップルやグループ向けのホテル。いわゆるトゥルムで今、流行りのBo-Hoスタイル(ボヘミアン+都会的なスタイル)のホテルだ。客室にはエアコン、プライベートプール、ジェットバス、屋外シャワー、24時間使用可能な電気(このエリアでは珍しい)があり、都会的なラグジュアリーが体験できるホテル。また、このホテルの向かい側がYäan WellnessというBe Tulumの宿泊者が利用するスパ専門の施設になっており、最高のリラクゼーション環境が整っている。カリブ海で癒しを求めるならこのホテルがぴったりだ。
特徴
・若者、グループ向けの都会的な快適性が確保されたBo-Hoスタイルのホテル
・Be Tulum宿泊者は巨大なスパ施設Yäan Wellnessのフルサービススパが堪能できる
・多国籍料理やシーフードを提供する3つのレストラン
・客室にはジャグジー/プライベートプール、テラス/プライベートバルコニー、ルームサービス、エアコン、24時間電源
・全域Wi-Fi、無料ヨガ&瞑想クラス、無料レンタル自転車、無料駐車場、有料空港シャトル・プール1面、ビーチフロント
部屋


レストラン
Maresias

Ocumare

Yäan Wellness Energy Healing Spa


施設は温水プールと冷水プール、サウナ、スチームルーム、屋上庭園で構成されており、ほかにはカップル用の部屋を含む4つのトリートメントルームがある。サービスにはマッサージやトリートメントセラピーを始め、様々なヒーリング体験ができる。また、1時間のヒーリングウォーターセラピーはすべてのサービスに含まれている。
スパ各種プログラム
各種マッサージ
各種メキシカンセラピー
各種ボディトリートメント
クリスタルヒーリング
レイキ
エナジェティックアライメント
マルチバイブレーションサウンドヒーリング
フェイシャル
Yäan’sヒーリングバス
テマスカルの儀式
イントゥイティブ・ライフパス・カウンセリング
クレンジングプログラム
コロニック(結腸洗浄)
アーユルヴェーダ
ヨガ
瞑想
ハーブバス

マヤ式マッサージ

詳細情報
チェックイン: 15:00〜23:30
チェックアウト: 〜12:00
年齢制限:13歳以上
各部屋の最大宿泊人数:2人
ホテルクラス:4つ星ホテル
価格: $$$$$
宿泊料目安:8万〜20万
サービス:★★★★★
雰囲気:★★★★☆
エコ:★★★☆☆
Ahau Tulum

入り口のオブジェがインスタスポットとして毎日人だかりができる。コロナになってからこのオブジェもマスクをつけた模様。Ahauは環境・生態系への影響を最小限に抑えることに重点をおき、エコに特化したホテルだ。建物は手作りのアートワークとボヘミアンな装飾に、地元の素材を100%使用して作られた素朴な建築が融合しているおり、可能な限り元々あった自然をベースに構築されている。併設された2つのレストランのうちの1つRaw Love Cafeはローフード専門店でメニューの全てがグルテンフリーだったり、スムージーにあらゆる種類のスーパーフードだったりと、健康志向の人には最適すぎるレストランだ。まさに建築からホスピタリティ、食の何から何までサステイナブルが意識されていて地球環境への向き合い方について考えさせられる。
特徴
・建築、ホスピタリティ、食事、ウェルネスなど全てにおいてサステイナブルに特化したエコホテル
・2つのレストランのうちの1つRaw Love Cafeはローフード専門で健康志向に最適
・入り口のアートオブジェがトゥルムで人気のインスタスポット
・客室には専用バスルーム、金庫、蚊帳、ファン、ルームサービス、エアコンは夜間のみの利用
・共用スペースWi-Fi、無料駐車場、有料空港シャトル、有料フィットネスセンター 、スパ、テマスカル、プライベートビーチ
部屋



レストラン
Raw Love Cafe

メニューの全てが植物ベースでグルテン、穀物、乳製品、精製砂糖、トウモロコシ、大豆を含まない健康志向の料理。メニュー内容は主にスムージー、アサイーボウル、ローフード料理、ヴィーガンスイーツ。アサイーボウルにはあらゆるスーパーフードをカスタマイズ可能。ローフード料理は最小限ココナッツオイルまたはアボカドオイルで調理されている。
メニュー:スーパーフードボウル

メニュー:スーパーフードスムージー

メニュー:Avocado on toost

Restaurant Ahau


詳細情報
チェックイン:15:00〜
チェックアウト:12:00
最低年齢:制限なし
各部屋の最大宿泊人数:2〜3人
ホテルクラス:3つ星ホテル
価格:$$$
宿泊料目安:3万〜10万円
サービス:★★★☆☆
雰囲気:★★★☆☆
エコ:★★★★★
メキシコのカリブ海トゥルムがなぜ世界から注目されているかについて→世界のトレンド「トゥルム」がなぜ今、海外移住先として最先端なのか?
現在進行中のプロジェクト

〜世界中が居場所になる「ファイナルランド」を作る〜
現在進行中、村づくりエンタメ番組「#かくめい」
https://www.youtube.com/user/KakumeiMinna