ニューヨーカーのトレンド。自然との融合がテーマの「トゥルム」
カンクンとは規模が全く違う小さな街にも関わらず多くの観光客が押し寄せるエコリゾート。今、この地がユカタン半島で最も注目される街へと変貌を遂げようとしている。この街ではやはり、カンクン、プラヤデルカルメン同じくビーチにホテルゾーンがあり、最も観光客が多く行き交う場所になるのだが、ほかとの違いといえばやはり、リトリートやヒーリングが充実していることと、ホテルデザインの面で群を抜いているところだ。自然との融合がテーマにあるだけにホテルに入ると、ジャングルに迷い込んだかのような気分にさせてくれる圧倒的なデザインのホテルもある。夜にホテルゾーンに行くといろんなところがナイトクラブになっているのだが、ホテルのイベントページを見ると、毎日どこかのホテルでヨガクラスがあったり、夜は伝統的な民族の儀式があったりと、スピリチュアリティの高いイベントがたくさんある。またトゥルムに訪れる人のサステナビリティの意識はかなり高く、在住者向けのエコライクなお店も小さい街ながらかなり多くある。また、街から自転車で行くことができる人気のセノーテや遺跡もあるため、カンクンよりも楽しみ方が大きく変わってくるだろう。
トゥルムのホテルゾーン
ホテルゾーンは数kmに渡り高級エコホテルが立ち並び、ストリートを通るだけでそのデザイン性に感動することだろう。特にアズリックというホテルはデザインやコンセプトから全てにおいて飛び抜けており、部屋がいつも埋まっていたり、値段が凄まじく高かったり宿泊に対するハードルはかなり高いが、行くべき場所の1つだ。宿泊できなくともレストランやバーに行くことは可能だ。このエリアの各ホテルにはカフェやバーがついてることがほとんどで、ホテル宿泊者でなくともビーチとセットで利用することが可能で、ビーチベッドも用意されているところが多い。ホテル宿泊者でない人たちはパブリックビーチであるプラヤパライソに行くことが多いかもしれないが、せっかくトゥルムに来たのならホテルゾーンのビーチに行くこともありだ。トゥルムの中心街でもそうだが、レストランはヴィーガン対応しているところがほとんど、ヴィーガン専門店も多く見られる。
セノーテ・遺跡
車があると遺跡の頂上まで登れるコバ遺跡だったり、ユカタン半島で最も人気のあるセノーテであるドスオホスにトゥルムからすぐアクセスできるが、何と言っても自転車で行けるグランセノーテとトゥルム遺跡があるのはありがたい。どちらも上記と同様、人気のセノーテと遺跡なので観光客の多くはこの場所を訪れるだろう。またトゥルム遺跡とすぐ隣にあるパブリックビーチであるプラヤパライソはセットで訪れることになる。セノーテにおいてはほとんどがシュノーケリングをすることになるかもしれないが、せっかく世界のダイバーの聖地であるユカタン半島に来て、その中でも最も人気のセノーテに行くのであればダイビングをしない手はない。海でのダイビングと鍾乳洞のダイビングでは全く違う世界を体感できるので、ユカタン半島の自然を楽しむ上では外せないコンテンツだ。
リトリート・儀式
ホテルに必ずといっていいほどあるのが毎日のヨガクラスだ。中にはホテルの宿泊と同時に無料のヨガクラスがついていることもある。特にこのホテルゾーンの中でもノマデ(Nômade)というホテルはリトリートと儀式にかなりの力を入れており、マヤの伝統的な儀式や、伝統的なサウナであるテマスカルを始めにあらゆるウェルネス体験が可能だ。もちろん宿泊者でなくとも参加可能。また、実はホテルゾーン以外にもリトリートができる場所はある。もし、トゥルムのダウンタウンでリトリートがしたいのならホリスティカ(Holistika)がおすすめだ。ここはホテルでありながらリトリートセンターでもあるため、毎日ヨガを始めとした様々なクラスを受けることができる。
シアンカーン国立公園
世界自然遺産でもあるシアンカーン国立公園は100万エーカー以上でなおかつ110キロもある珊瑚礁があるメキシコ最大の保護地域の一つだ。
ラグーンにはフラミンゴやワニ、海ガメ、マナティも生息しており、ビーチから直接水中に潜ってもたくさんの生物と遭遇することができる。シアンカーンに行く時はトゥルムのツアー会社からガイド付きでシュノーケリングやトレッキングのツアーに参加することが基本だ。またカリブ海側のPunta Allenと遺跡のある内陸側のMuyilという街のどちらかに行くことになるがこの2つの場所は全然違う場所なのでツアー内容も変わってくる。
ユカタン半島の中心部。植民地時代の歴史を感じる街「バジャドリード」
バジャドリードはユカタン州の中で3番目に大きな都市でスペイン植民地時代のパステルカラーのコロニアル調の建物がたくさん残っていたり、古いフォルクスワーゲン・ビートル、カラフルなフラッグガーランド、小さなカテドラルなど典型的なメキシコの街の雰囲気が漂っている。そこまで大きな街ではないので街を見て回るのにそこまで時間はかからない。周辺には遺跡で最も有名なチチェンイッツァやセノーテ・イキルがあったりピンクラグーンへの中継地点だったり、街の周辺に見所のある場所が多いのも特徴。
バジャドリードのダウンタウン
中央広場
まずはバジャドリードのど真ん中に位置するフランシスコ・カントン・ロサド公園という中央広場に行くことになるだろう。ここでは屋台が立ち並び市場があったり、ダンスショーが行われる。街の主要スポットもここを中心に広がっているため、宿をとる場合もこの周辺になる。
教会
中央広場の近くにはサン・セルヴァシオ教会がそびえ立ち、その正面には2つの巨大な塔がある。ここはバジャドリードで最も象徴的な場所の1つで中には自由に入ることができる。ほかにもサン・ベルナルディーノ・デ・シエナという古いカトリックの修道院の中は教会や礼拝堂のほかにカースト戦争に関する博物館があり、教会は無料で入場できる。ここでは夜になると午後9時にプロジェクションマッピングでライトアップされるので昼と夜両方楽しめる。
教会一覧
・サン・セルヴァシオ(Iglesia de San Servacio)
・イグレシア・デ・ラ・カンデリア(Iglesia de la Candelaria)
・イグレシア・デ・サンタルーシア(Iglesia de Santa Lucia)
・イグレシア・デ・サンタアナ(Iglesia de Santa Ana)
・サン・ベルナルディーノ・デ・シエナ(Convento Francisco de San Bernardino de Siena)
セノーテ・遺跡
バジャドリードに来たら下記のセノーテ・遺跡は必ず抑えておかなければならない。筆者としてはチチェンイッツァ遺跡とともにセノーテ・イキルへ行くことをおすすめするが、チチェンイッツァ遺跡は凄まじい数の観光客が押し寄せ、近年、値上がりしたりピラミッドに登ることができなくなったため、鉄板のコースではあるが期待しすぎないほうがいい。ある意味、もう一つの人気の遺跡であるエクバラム遺跡はピラミッド上から絶景を見ることができるため、こちらのほうがおすすめかもしれない。また、セノーテ・サシはなんとバジャドリードの街の中心にあり、広場から徒歩で行けてしまう。セノーテ・スイトゥンはインスタ映えで多くの観光客を呼んだが、セノーテとして楽しむ分にはセノーテ・イキルのほうが良いと筆者は感じる。
セノーテ
・セノーテ・サシ
・セノーテ・イキル
・セノーテ・スイトゥン
・セノーテ・サムラ
遺跡
・チチェンイッツァ遺跡
・エク・バラム遺跡
ピングラグーン
ユカタン半島に来る観光客のほとんどが知ってるであろうピンクラグーン。インスタの写真をきっかけに爆発的な人気スポットに。この場所は赤いプランクトンや小エビによって塩田が赤く染まったらしく、ここで小エビを主食にするフラミンゴはピンクに染まっている。一歩足を踏み入れると今まで見たこともない景色に圧倒されるだろう。ここにアクセスするためにはかなり小さな漁村のラス・コロラダスという場所へバジャドリードから行くことになる。心配な人はピンクラグーン行きのツアーがどこの都市にも必ずあるのでツアー会社を使うと安心できるだろう。ただ、村自体はかなり小さく特に何かがあるという訳でもないし、ピンクラグーン自体泳ぐことは禁止されているので、誰にでもおすすめする訳ではないが、絶景ハンターにはおすすめできる場所だ。
リオラガルトス
リオラガルトスは実は上記のピンクラグーンの近くにある街。時間があるならピンクラグーンとセットで訪れるといい。この場所はマングローブが生い茂り、ちょうど川から海へつながる河口であり、ユネスコ生物圏保護区のエリアにも指定されている。ここではピンクラグーンでも見れるピンクフラミンゴやウミガメなど様々な生物に出会うことができる。また、小さな街ではあるが、リゾート都市とはまた違った穏やかな時間を過ごすことができる。
カンクンよりも大きい!?ユカタン半島最大の都市「メリダ」
メリダはユカタン半島最大の都市で街はかなりの大きさだが実はカンクンのように観光都市という訳ではないので、訪れるべき場所というのはそこまで多くはない。メリダは観光として訪れるべき街というよりも住みやすい街といったほうがいいかもしれない。ここではいわゆる都会的なスポットが中央広場であるプラサ・グランデを中心にいくつかあったり、ここで行われるイベントもかなりあるので、街のイベント情報もチェックしておきたいところ。また、メリダから車で少し行けば、ビーチや自然保護区、遺跡もあるのでついでに行っておくスポットはいろいろある。
メリダのダウンタウン
メリダを楽しむための場所はやはり街の中心であるプラサ・グランデに多くのコンテンツが詰まっていると言えるだろう。朝9時半からの無料のウォーキングツアー(チップは必要)に参加できたり、周辺には大聖堂や美術館もあったりするが、ここで体験してほしいのはやはりイベント。月曜日はたくさんのダンサーや音楽家が集まり、ヴァケリア(Vaqueria)というダンスイベント行われる。金曜日にはPok Ta Pokという古代マヤ人が行っていた球技を見ることができ、Calle60は歩行者天国となる。日曜日はサンデーマーケットが行われ、バッグやハンモックなどのハンドメイドの民芸品が売られていたり、典型的なメキシコグルメを堪能することができる。その他のスポットはマップにピンを打っているのでそれを参考にしてほしい。
洞窟・遺跡
メリダに来たらセットで行く人が多いのがウシュマル遺跡だろう。チチェンイッツァ遺跡よりも観光客も少なく、このエリアでは最も主要な遺跡だ。近くにあるカバ遺跡に行く人も多い。ただ、2020年現在では遺跡に登ることができた人とそうでない人がいるため、遺跡に登ることができない可能性がある。また近くにはユカタン半島で最も大きい洞窟と言われるCalcehtok洞窟とLoltun洞窟もある。迷路のように道が何パターンもあり、ルートは複雑なようであるため、ガイドをつけるほうがいいかもしれない。
プログレッソ
プログレッソはメリダからビーチを楽しむために多くの人が訪れる港湾都市だ。メリダから一番近いビーチスポットなのでメリダに住む地元のメキシコ人も多く訪れる。街の見所はそれほど多くはないが、全長4kmもある世界で最も長い桟橋がある。近くにはエルコルチト自然保護区(El Corchito)もあり、ボートで川を渡ったり、アライグマやワニ、たくさんの鳥に遭遇できる。
セレストゥン
この街に来るメインの目的はやはりセレストゥン自然保護区だろう。プログレッソよりも街は小さいがビーチもある。おそらく、ビーチや自然を楽しむのであれば、プログレッソに行くかセレストゥンに行くかの選択になるだろう。セレストゥンでもボートでマングローブが生い茂る川を下り、フラミンゴ、ペリカン、白鷺、ハゲタカ、その他多くの鳥を見ることができる。また、ピンクラグーンのようにセレストゥンでもピンクに輝く塩田とピンクフラミンゴを見ることができるため、ピンクラグーンを見逃しているのならここで見るのもありだ。
イサマル
メリダから1時間で行くことができる街。全てが黄色統一された街並みはいえろシティと呼ばれ非常に魅力的だ。バジャドリードとメリダの道の途中にあるため、時間があれば寄っていくといいだろう。
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現在進行中のプロジェクト
〜世界中が居場所になる「ファイナルランド」を作る〜