カリブ海トゥルム在住者がサステナブルな暮らしをするのに必須のオーガニックショップ

written by さいどん -かくめいメディア・クリエイティブ担当-

トゥルム在住者がサステナブルに意識を向ける理由

メキシコのカリブ海に面するエコリゾート「トゥルム」ではニューヨーカーを中心とした欧米人の観光客が訪れる。それと共に欧米人移住者もどんどん増加し、数年前までただの田舎街だったトゥルムは土地開発が進み、世界随一の急速な発展を遂げている。だが、田舎町だった頃のインフラが今の発展速度に追いついてる訳ではなく、今の自然環境・生態系・マヤ先住民でもあるメキシコ人の生活基盤などをいかに守るのかというところも忘れてはいけない。エコトレンドが日本よりも進む欧米人にとって、この地が観光客、移住者である自分たちのニーズを満たすために発展を遂げた街であることは認識しているし、自然環境やメキシコ人の生活を守る責任を果たすことは当たり前なのである。では、この地のインフラが今の発展速度に追いついていないということはどういうことなのだろうか?
実は、トゥルムがあるユカタン半島全体にはセノーテという地下水脈が流れており、なんとどこを掘っても井戸のように地下水脈から水が出てくるのだ。そして、現在においてもこのセノーテから汲み上げた水を生活に使用している。古代マヤ人はこのセノーテを聖なる泉として信仰の対象にしており、雨の神チャクが宿ると考えていた。彼らの主食であったトウモロコシを育てる上で最も重要だったからだ。古代マヤで築かれた水の乏しい北部の都市は必ずセノーテの近くが選ばれている。現在ではユカタン半島の鉄板の観光スポットとしてダイバーを始めとした多くの観光客を魅了しているが、セノーテは古代でも現代においても生活のインフラそのものであり、この地のエコシステムの重要な鍵を握っている。どこでも地面を掘ってしまえば水が手に入るということはジャングルの奥地でも無料で水資源を使えてしまう。それと同時にこのセノーテが汚染されると恐ろしいことが起こる。もし、汚染水が流れてしまえば、自分たちがその水を使うことになるのだ。それだけではない、現代のマヤ先住民たちの生活も破壊してしまうだろう。過去、世界であらゆるリゾートが汚染によって閉鎖された。その原因は言うまでもない。開発が凄まじいスピードで進むトゥルムでこれが起こってもおかしくはないのだ。それだけにこの美しいカリブ海の自然に魅了されたトゥルム在住者のサステナブルな意識が高いのは当然だろう。

小さな田舎街でもサステナブルなオーガニックストアがたくさん

実はトゥルムの街はビーチストリートのホテルゾーンを含めず端から端まで測っても縦4km × 横6kmの中に街のほとんどが収まってしまう。にも関わらずこの小さな街のメインストリートを歩けばほとんどが欧米人であり、ローカルのメキシコ人が訪れる店と欧米人たちが訪れる店が混在している。街を歩くだけでいかに現地のメキシコ人と比べて欧米人の比率が高いのかが見てとれる。特に欧米人が訪れるレストランはほとんどと言っていいほどヴィーガン・ベジ対応しており、グルテンフリーにも対応していることが驚きである。それほど環境や健康意識の高い欧米人のニーズが大きいことを意味しており、そんな移住者にとってはサステナブルな生活必需品が手に入るお店も必須になってくる。そういった訳で、この小さな街にも数多くのオーガニック製品を扱うエコフレンドリーなお店がある。日本では家の近くにそういったお店があることは珍しいし、都心部では安価に手に入れることは難しいため、ネットで購入する人も多いだろう。トゥルムでは徒歩圏内に何軒も見つけることが可能だ。

どんなオーガニック製品がある?

トゥルムにあるオーガニックショップは基本的にはどこも小さな個人商店のようなところがほとんどだ。だが、生活で日常的に使うような消耗品は大方、植物由来のオーガニックで手に入る。例えばシャンプー、石けん、生活洗剤などだ。どこのお店も基本は食品類がメインでナッツ類・オイル・スーパーフードなどは必ずある。日本とは違い、環境の観点から上記のものはどこも量り売りで売っているので、容器を自分で持参し、自分で決めた量は入れる。食品以外にもバッグやアクセサリー、スキンケア、タバコ、お香など小さいお店ながら色んなものがある。ここでは、トゥルムのどこのお店でも必ず売っているおすすめのオーガニック食品を紹介しよう。

ヴィーガンチーズ

ヴィーガンといえば基本的には動物由来のものは使わないため、このヴィーガンチーズは本物の乳製品であるチーズを植物由来のものを使って完全再現したものである。日本ではあまり普及していないため、ヴィーガンチーズをお店で見かけることはなく、個人が独自の製法で作ったりする場合もある。人によって製法は違っているが主に成分はナッツや豆でできている。よくあるパターンではカシューナッツ、ニュートリショナルイーストや豆腐をペースト状にして作る。実際、ヴィーガンチーズを食べてみると、使われる素材、分量によって味や食感も異なってくるため、本物の乳製品のチーズは少し違う場合もあるかもしれない。しかし、大抵の場合、ヴィーガンチーズであることを知らされなければ植物由来で出来たチーズであることに全く気づかないだろう。

カカオ

チョコレートの元であるカカオ。実はトゥルムがあるメキシコが原産国である。発見されたのは紀元前に遡り、メキシコ古代文明の社会において貨幣の代わりになったり重要な役割を果たしてきた。基本的に目にするものはすでに砂糖などを添加し、加工されてチョコレートになったものか、ココアパウダーになったものだろう。しかし、カカオ豆を発酵、乾燥、焙煎し、殻を取り除き砕いたもの、つまり加工前のチョコレートであるカカオニブを摂取することに切り替えればリラックス作用、抗酸化作用など、カカオ本来の健康的な部分だけを身体に取り入れることできる。また食感はナッツに似てカリカリしており、カカオニブはビタミンC以外の全ての栄養素が入っているスーパーフードとも言われている。

アマランサス

スーパーフードとして広く認知されているアマランサスは健康志向の人の中でかなり人気の食材でヴィーガン料理にもよく使われている。5千年も昔から栽培されてきた雑穀で、2016年にアマランサスはメキシコの無形文化遺産に登録された。殻がなく脱穀不要であり、ものすごく粒が細かい。粉状にしてお菓子やパンなど、あらゆるものに練りこむことができる。栄養価は非常に高く、各種ミネラル、ビタミン群、食物繊維、あらゆる栄養素がびっくりするほど詰まっており、世界で最も栄養価の高い食物として注目されている。その高い栄養価からNASAが公認で宇宙食として取り入れているスーパーフードでもある。

キヌア

先ほどのアマランサス同様、高い栄養価から宇宙食として取り入れられているスーパーフードであり、雑穀の一種である。肉体を健康的に保つための必須アミノ酸を全て含んでおり、ほかにも鉄分・カルシウム・食物繊維・ミネラル・ビタミンなどあらゆるものを含んでいる。アマランサスよりも粒が少し大きく、使い方は様々だが大きく3種類に分けると、粉状にして、お菓子、パンの材料にするパターン。茹でてサラダにいれたり、スープにいれるパターン。米やほかの雑穀と混ぜて炊くパターンに分かれる。

必ず行くべきオーガニックショップ

Co.Con Amor

Co.Con Amorはトゥルムで在住者が一番訪れるオーガニックショップと言っても過言ではない。店内自体はそこまで広くないが、量り売りに関してはかなり豊富な種類のオーガニック食品が陳列されている。おまけにほかのオーガニックショップと比べて値段が安いので、常連のトゥルム在住者がたくさん訪れる。筆者目線でここでおすすめのオーガニック商品といえば、やはり量り売りされている商品だろうか。つまり、生活洗剤・ナッツ・スーパーフード・パウダー類になる。完全オーガニックというと日本では少し値が張るというイメージだがここでの価格ならどんな人も試しに使ってみようという気になるのではないだろうか?特に上記のカカオニブやスーパーフードであるキヌア、アマランサスはメキシコ産である上に日本よりも驚くほど安いため買わない手はない。また、ここではプラスチックを使わないリユースの詰め替え用ボトルも豊富な種類で売られているので、日頃からボトルを持ち歩く人はマイボトルをここで買うのもありかもしれない。

特徴

・トゥルム在住者に最も人気
・量り売りで豊富な種類のオーガニック食品
・ほかのオーガニックショップよりもリーズナブルでリピートしたくなるものが多い
・詰め替え用ボトルの種類が多数
・ヴィーガンレストランが併設されている

レストラン

詳細情報

営業時間:10:00~20:00(月曜日休み)
営業時間(レストラン):10:00~21:30(月曜日休み)

ジプシーマーケット

ジプシーマーケットはトゥルムで最も大きなオーガニックショップ。その名の通り中東の市場を彷彿させるような雰囲気が漂うウッドベースの店内。何と言ってもほかのオーガニックショップに比べて店内は何倍もの面積があり、圧倒的に商品数が多く、ここでしか手に入らないものも多数ある。先ほどのCo.Con Amorで売られているオーガニック・ヴィーガン・グルテンフリーの商品ももちろん、それ以上の珍しい商品がある。何と言ってもこのジプシーマーケットの特徴は自社ブランドのオーガニック商品が多数あることだ。それらは自社の名前でパッケージングされており、それだけにほかでは絶対ないオリジナル商品だ。店内も広いだけにオーガニックショップが好きな人にとっては、商品に夢中になってしまうだろう。また、Co.Con Amorと同じくヴィーガンレストランが併設されており、少し値は張るが料理も雰囲気もなかなかおしゃれだ。

特徴

・トゥルムで一番大きいオーガニックショップ
・オーガニック・ヴィーガン・グルテンフリー・それ以外も含め品数が最も多い
・自社ブランドのオーガニック製品がある
・日本には売ってない珍しい商品がある
・ユカタンエリアのコロナによって職を失ったりして貧困にあるメキシコ人の家族へ食料を直接、寄付している
・ヴィーガンレストラン併設

詳細情報

営業時間:9:00~22:00
営業時間(レストラン):10:00~23:00

その他のオーガニックショップ

下記に紹介するオーガニックショップもCo.Con Amorにあるような商品が置かれている。また、これらのショップはトゥルム中心部の数百メートルの範囲に密集しており、時間があるのであれば徒歩で全ての店を周ることができる。散策が好きな人はぜひ行ってみてほしい。

Mercado Vegano Tulum (2020年9月オープン)

詳細情報

営業時間:12:00~20:00(日曜日休み)
営業時間(レストラン):13:00~21:00(日曜日休み)

Naturalmente Tulum

詳細情報

営業時間:10:30~19:30(日曜日休み)
営業時間(2つ隣のレストラン):9:00~20:00(土日は9:00~17:00)

Sabio Tulum

詳細情報

営業時間:12:00~15:00(日曜日休み)

サステナブル・エシカル・ヴィーガン・オーガニックに関心がある人はさらにこちらを→サステナブル最先端のエコリゾート「トゥルム」でホットなヴィーガンレストラン


現在進行中のプロジェクト

〜世界中が居場所になる「ファイナルランド」を作る〜

現在進行中、村づくりエンタメ番組「#かくめい」

https://www.youtube.com/user/KakumeiMinna

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