ヴィパッサナーを聞いたことある人はあまり多くない。お釈迦様が開発した瞑想方法というと尚更少ない。その瞑想方法は2500年前に編み出され、ミャンマーにて瞑想方法が変えられることなく、口頭と実践によって現代にまで伝えられていることを知っている人は殆どいないだろう。
早速瞑想の内容をお伝えしたいところだが、まず最初に、なぜお釈迦様は瞑想方法を編み出したのだろうか?について話したいと思う。
なぜ仏教の教祖ブッダ(釈迦)は瞑想方法を作ったのか?
実はお釈迦様(ゴータマ・シッダールタ)は仏教の開祖であるが、彼が仏教を開きましたと言ったわけではなかった。勝手にお釈迦様の周りに人が集まってきて、人々が彼の教えを伝えていった。その過程で教えが体系化されたものが経典となり最終的に仏教と呼ばれるようになった。つまり、お釈迦様は別に宗教を作るつもりでもなんでもなくて、「悟ったので、悟り方教えますよ〜」といろんな人に教えていただけだった。ちなみに、当時は「悟」ブームだったらしく、いろんな修行者が悟るためにありとあらゆる苦行をし、あれでもないこれでもないと切磋琢磨していたそう。で、たまたま一番最初に「悟る方法」を開発したのがお釈迦様だったそうw。
日本の弘法大師のように瞑想したまま死んでいったり、禅僧などの歴史を見ていると、悟って乞食になって旅する人がいたり、足が腐るまで何年も動かずに座禅を組み続けたりと、いわゆる変人が多いが、彼らに共通することがある。それは人生で起こる全ての事象を受け入れて、「今」だけを生きているということ。
お釈迦様は今にいつづけることは、苦しみから逃れる唯一の方法と気づいたのでした。お釈迦様は、過去と未来を忘れ、「今」だけに意識を集中し続ける方法を見つけ、そしてその方法を論理的な説明で誰にでもできるように体系化した。それがヴィパッサナーでした。
ヴィパッサナー瞑想は論理的でわかりやすい
ヴィパッサナーの基本概念に「サンカーラ」というものがあります。わかりやすく言うと、誰かに言われるとなぜか「ムカッ」とする言葉が人それぞれあると思います。人によって違いますが、引っかかってしまう言葉。それに反応して怒ってしまったり、態度を変えてしまったりすることが誰にでもあると思います。その反応は自動的で、まるで沸騰したヤカンに手を置いてしまった手が反射でヤカンから手が離れるように、無意識下で自動的に反応します。つまり意識ではどうすることもできない、勝手に怒ってしまうというのはそういうことです、これをサンカーラと呼んでいます。
とすれば意識しても勝手に反応してしまうので、治せないとなってしまいます。しかし、ヴィパッサナーでは、このサンカーラを止める方法があり、それは精神(意識)では止めれないので、肉体にその反応を慣れさせましょう。というやり方でサンカーラを止めていきます。わかりにくいかもしれませんが、自分のサンカーラを肉体に出すことができたらそれを少しずつ消していく(勝手に反応しないようにする)ことができるようになるという方法です。
このサンカーラが肉体に現れる状態にするための一連の瞑想プロセスをヴィパッサナーと呼び、このプロセスを10日間かけて学びます。誰とも話さず、誰とも目を会わさず、自分の中に入り込むことでこのプロセスを学びます。
ヴィパッサナーの瞑想方法
ステップバイステップで説明します。
- ヴィパッサナー瞑想の最初の3日間は意識を1箇所に集中できるようにすることだけを練習します。止まっている場所に集中するとどうしても色々なことを考え始めてしまいます。なので呼吸している鼻の下に意識を集中することで、その呼吸だけに意識を集中できるようにします。
- 4日目からヴィパッサナーの実践です。この3日間でようやく鼻の下だけに意識を集中することに慣れてきた時に、今度はこの点の意識を頭のてっぺんまで持っていきます。その点を頭の上から下に下ろしていき額→目→鼻→口→首→肩→腕→手→爪先と言った具合に、意識が集中している点を動かして身体中全てを駆け巡りっていきます。
- そうしているうちに、今まで意識が集中している点が大きくなっていきます。爪先から指全体へ、指全体から手全体へ、手全体から腕全体へと言った具合に集中している範囲がどんどん広がっていきます。
- そのうち体を覆う外側全体に意識が完全集中している状態になります。この時点で、もう意識は外界には全く行くことなく殆ど周りのことを意識することがなくなってきます。
- 体の外側に意識が行き渡った後は、今度は体の内側に入っていきます。この時、骨の形や、内臓の形がわかるほど明確に自分の意識が体内を駆け巡るようになります。
- そしてここからがヴィパッサナーの真髄である精神(無意識の部分)が肉体を通して現れてきます。それはさまざまな感触で現れます。痛み、痒み、熱い、寒い、くすぐったいと言った感覚が体の表面に現れてきます。これをひたすら見つめる、するとこの感覚が少しずつ弱まっていきます。この時この感覚が自分の中のどのようなサンカーラなのか自然と理解し始めます。
- この瞑想を通して、毎日何年もこのサンカーラを内観し続けることで最終的にはこの感覚が全て消えて無くなる時が来ます。その時サンカーラは消え、そして過去と未来も消え、ただ「今」ココにいつづける、が達成されるとされています。
「過去」はトラウマで、「未来」は欲望です。
肉体に刻まれた自分という過去の意識と、燃え盛るやり遂げたいという未来への欲求。
それが消えた時、真っ白な意識、それが「今」ここにいるということなのでしょう。
ヴィパッサナーは悟りの道。悟りとは、なんでもオッケーになること
ここでいう「過去」とは今まで自分という社会的存在として周りから決めつけたれてきた仮の自分。皆、親から名前をつけられていますが、自分では選んでいないように、潜在意識にありとあらゆる自分を構成する基本概念が植え付けられています。それは本来の自分の意識ではなく、知らぬ間に作り上げられた自分、それを「過去」(トラウマ)と呼ぶことにしています。
ここでいう「未来」とはこれから作り上げる頭の中に描いているもののことを言います。人間は「今」という特異点の連続の中に生きているので、未来は永劫に訪れません。どこまで行っても「今」です。「未来」とは実際には頭の中に描いている理想像のことを指します、つまり、成し遂げたい(欲望)そのものです。
そもそも、なぜあなたはこの世に生まれて、自分という意識を持っているかあなたは知っていますか?と質問されたら、誰も答えれないと思います。
気がついたら自分を認識して今ここまで自分を生きてきた。なぜ存在しているかは知らない(過去というトラウマ)。
そう思うと思います。
何かを一生懸命やり遂げようとしていると思います。(未来という欲望)
でも、いつまで経っても達成できない(到達できない未来)
そう思っていると思います。
自分が死ぬ瞬間に「最高だったな俺の人生」そう思えるなら、その道のりはなんでも良かったのかもしれません。死んで仕舞えば全てをこの世に置いて行くわけですから、お先真っ白なわけです。
真っ白なら初めから真っ白でよい。全てがなんでも良いと思えた瞬間、過去(トラウマ)も未来(欲望)もなくなる、「今」ココそれだけ。
そして自分から解放されて自由になる。
ヴィパッサナーとは「物事をありのままにみる」という意味です。
それが「悟り」と言われます。
そして、最後に残るのは「愛」だけです。
アメリカでSATORIは研究された結果、訓練で誰でも到達可能な意識状態?
アメリカでは結構この「悟り」が科学されてき始めています。この「悟り」を研究することで、もっと簡単に体系的に悟りを体感できるプログラムも開発されてきています。
瞑想4カ月で7割の人が悟りの領域に!?→https://www.newsweekjapan.jp/yukawa/2019/02/transtech-conference_2.php
「悟りってどんな状態?」悟った50人に心理学的手法で詳しく聞いてみた結果とは→https://www.newsweekjapan.jp/yukawa/2019/02/50transtech-conference_1.php
ヴィパッサナーはどこで受けれる?
ヴィパッサナー瞑想は世界100カ国にあるヴィパッサナーセンターで受けることができます。もちろん日本でも受講が可能
ヴィパッサナー瞑想だけでなく、変容意識を体験するためのさまざまな方法が学べるリトリートセンターとは?